未踏とはなんぞや
公式へのリンクを貼っておきます.
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引用
「未踏事業」は、ITを駆使してイノベーションを創出することのできる独創的なアイディアと技術を有するとともに、これらを活用する優れた能力を持つ、突出した人材を発掘・育成することを目的としています。
あるいは,同期クリエイターの記事を紹介しておきます.
- 2019年度の未踏を終えて - arailly books
- 未踏が終わりました - Matsuura Tomoya:松浦知也
- 電通大と未踏を終え,東大修士へ入院します. - udooom’s diary
なにつくったか
作ったものをまとめたサイトを別途作成したので,そちらへどうぞ.
サクッと紹介すると,科学館の展示物をイメージした,電子や回路の挙動に対して多くの人に興味や親近感をもたせる装置を作りました.
一応,スーパークリエータ認定もいただきました.
2019年度未踏IT人材発掘・育成事業の「スーパークリエータ」17名を認定
21プロジェクト(計28名)からの17人は,例年よりも多いとか.年々クオリティが挙がっているということなのでしょうかね.
未踏のよかったこと
資金が貰える
IPAから未踏クリエータとの間で委託契約を締結します。委託内容は、平たくいえば「PMの指導の元、テーマに沿って自由に開発して成果をあげる」ことを約束するもの。開発に与えられた約9ヶ月で、最大200万円強が、IPAからクリエータへ支払われます。 この契約の肝は、未踏での成果の知的財産権はすべて未踏クリエータ自身に帰属する、ということです。つまり、お金をもらって開発した成果が、クリエータのものになるなんて、ちょっと他にはない公募事業なのです。 https://www.ipa.go.jp/jinzai/mitou/outline.html
生生しい話ですが,どうしようもありません.工作には金がかかります.
未踏の「委託金」は,単価に基づいて作業時間分払われるということが公開されていますが,払われた金の使途には未踏事務局は関与してこないということになります.もちろん元は税金だからね!とは言われますが,確定申告などを含めて全て自分の責任で物品の購買等が可能です.良くも悪くも.
余談ですが,おかげさまでピークの期間は「基板や部品を一気に注文する」→「届き次第組み上げていく」→「足りない部分を随時Amazonやmisumiで発注しながら組み上げる」というのを3週間後のプレゼンに合わせて間に合わせるエクストリーム(当社比)開発をしました.研究室の先生に伺いを立てたり,購入のたびに事務手続きが発生したりしないのは大変ありがたいことです.
ここが一番多いな.
たいてい事務局がよしなにやってくれる
先の資金の話と一部かぶりますが,契約上必要な書類手続きの多くを未踏事務局が負担してくれます.びっくりするくらい負担は少ないです.最後に提出する報告書は15000文字ほど書かないといけませんが,それ以外はよしなに対応していただけます.ミーティングの準備なども(こう書くと上から目線になってしまいますが)しっかりしています.
時たま関東以外に行ける
月1ほど定期的にオフラインミーティングが開催されます.自分は東京住みで,ミーティング開催地も東京が多いのですが,たまに関東以外になります.自分の場合はそれを利用して大阪市立科学館と名古屋市科学館に遊びにもとい視察にいきました.遠ければ委託金とは別に交通費と宿泊費が出ます.
周りが強い
月並みな感想ですが.強い人が集まっているので普通に会話するのはもとい,定期ミーティングの進捗報告も勉強になりますね.中には「すごいことはわかるがそれ以上のことがわからない」なんてのもありますが・・・.
その他,今後応募する人に向けて
- 未踏について調べると厳しいコメントを貰って辛かったみたいな記事もみられますが,今はそういう方針はとらないようなので安心してください.
- B4・M2で採択される人は頑張ってください・・・.M1(しかも修論とおそらく同じテーマ)で採択されたのは幸いでした.
その後どうなるの?
全員が全員,未踏のプロジェクトを引き続き開発していくというわけでもありません.それは,過去の採択情報を眺めてみてもわかることです.数年間IPAに対して活動報告はすることになっていましたが,それほど強い制約はなかったと思います.もちろん,プロダクトとして最後までやり遂げた方,いまも活動している方もいらっしゃいます.とても尊敬します.
僕自身はというと,少なくとも修士の間は引き続き機能追加や論文としての公開を目指して活動をしています.その後は日曜研究者にでもなろうかな.